▲ ファン・ヒ代表(カカオヘルスケア)

2024年1月15日

– グルコース管理サービス「Pasta(パスタ)」、2月に韓国国内でリリース、今年末に海外進出を本格化

– モバイル基盤のグルコース管理サービス「パスタ」、今年末までに日本、来年末までにアメリカへ進出予定

– グローバルヘルスケアのビッグデータ及びAI基盤における研究協力のネットワークとRWE基盤のグローバル臨床試験事業などを拡張

株式会社カカオヘルスケア(代表:ファン・ヒ、本社:大韓民国・京畿道、以下カカオヘルスケア)のファン・ヒ代表は2024年1月10日(水)午前10時(現地時間:9日(火)午後5時)に、アメリカのサンフランシスコで開かれたJ.P.モルガン・ヘルスケア・カンファレンスでAPAC発表セッションにおいて「グルコース管理サービス「パスタ」を今年2月に韓国国内でリリースし、その後、日本とアメリカをターゲットにグローバル市場進出を本格化させる。」と抱負を明らかにしました。

「J.P.モルガン・ヘルスケア・カンファレンス」は毎年1月にアメリカで開催されるヘルスケア業界最大規模のイベントで、多数の製薬、バイオ、ヘルスケア企業と投資家などが一堂に集まる大規模カンファレンスです。世界各国の製薬、バイオ、ヘルスケアのトレンドはもちろん企業それぞれが持っている有望な技術などを一挙に見ることができるイベントということもあり、多くの注目を浴びています。カカオヘルスケアはAPACセッションでAI基盤のグルコース管理モバイルアプリサービスである「Pasta(以下パスタ)」と連合学習基盤の人工知能を活用した多機関医療データ分析プラットフォーム事業を紹介しました。

ファン・ヒ代表は「2030年には全世界の糖尿病人口は6億4200万人に達し、その内39%が慢性的な糖尿病関連の合併症に苦しむであろう。」とし、「これにより経済的な負担はグローバルGDPの2%に迫る2兆3000億ドルに達する。」と懸念を示しました。また、「パスタを通じて、糖尿病患者が、リアルタイム持続グルコースデータと本人の生活習慣の関連性を把握し、それを基に自らが糖尿病を管理し、さらには様々な深刻な合併症の発症を防げるようになることに期待し、糖尿病予備群人口の場合、ライフスタイルの改善をサポートし、進行を遅らせることを目標としており、医療機関では患者のライフスタイルデータを基に精密な治療が行えるようにサポートする。」と述べました。また「最終的にはパスタのターゲットを慢性疾患で苦しんでいる患者のQOLの改善、医療におけるアプローチの向上、社会保障の削減などへ拡大し、貢献できるようにする」と強調しました。

「パスタ」は持続グルコース測定器(CGM:Continuous Glucose Monitoring)とスマートフォンを活用したグルコース管理サービスであり、カカオヘルスケアは昨年にグローバル企業であるデクスコム社(Dexcom、以下デクスコム社、本社:アメリカ)、ノボノルディスク社(Novonordisk、以下ノボノルディスク社、本社:アメリカ)、アイ・センス社(i-sens、以下アイ・センス社、本社:大韓民国・ソウル)などと協業し、サービスを開発しました。パスタはAI技術を基盤とした食事認識及び栄養素の分析、リアルタイムでのグルコース値測定やガイド、分析レポート、家族及び知人とのコミュニティー(グルコースデータの共有など)など様々な機能を搭載しています。カカオヘルスケアは医師が診療及び教育を簡単に行えるよう医療機関向けに「パスタ・コネクト(Pasta Connect)」というシステムを医療機関に提供し、さらには糖尿病患者の「パスタ」アプリ内のデータを病院のEMRシステムと連動し、患者が継続して治療に専念できるようにサポートする予定です。

「パスタ」に続き、ファン・ヒ代表はカカオヘルスケアとの協力病院を対象とした連合学習基盤の人工知能を活用した臨床データの分析及び予測技術である「プロジェクト・デルタ」について紹介しました。ファン・ヒ代表は「2020年基準で23億1,400万TBのグローバルヘルスケアデータが存在し、このようなデータ分析市場の規模は2030年に1,220億ドルまで拡大すると予測している。」とし、「病院などの医療機関、製薬会社などの企業、研究機関などのパートナーで必要としている需要を満たすためにグローバル企業であるグーグル・クラウド社(Google Cloud、以下グーグル・クラウド社、本社:アメリカ)などとの協業によりデータキュレーション事業を行っている。」と述べました。

カカオヘルスケアは医療機関が保有している良質の臨床データと様々なカルテを標準化し、データレイクを構築しながら、その中で人工知能と大規模機械学習などを便利に活用できるソリューションを提供しています。医療データは、院内データの持ち出しにより懸念されるデータセキュリティ及びプライバシーに関する問題を解決し、カカオヘルスケアのデータ分析システムを通じて、多機関での臨床研究の活性化が期待されています。データを必要としている様々な機関においてはデータの標準化及び連合学習を通じた迅速なデータ分析を通じて、ローデータの持ち出しなしに多機関での臨床研究の活性化及び製薬事業の発展、医療の質向上、医療技術の革新など様々な社会的付加価値の創出が期待されています。カカオヘルスケアは当該事業のために昨年11月に高麗大学校医療院、延世大学校医療院、梨花女子大学校医療院、サムスンソウル病院、全南大学校病院、和順全南大学校病院などと共に人口知能及びビッグデータ技術を活用した研究連合である「研究協力ネットワーク(R-Alliance)」を発足させました。また昨年7月にはグローバルビューティー企業であるロレアル社(L’Oréal、以下ロレアル社、本社:フランス)とRWE(Real World Evidence)基盤の精密ビューティーソリューション開発のためのMOUを締結し、今後、臨床実験分野で活性化が期待されているRWE(Real World Evidence)基盤のデータ分析分野を先導していく計画を明らかにしました。

カカオヘルスケアはすでに昨年にグーグル・クラウド社と国内3つの大学病院で大腸がん患者を対象とした死亡率及び合併症の予測モデル関連の連合学習のパイロットテストを通じ、データ分析予測モデルと比べても劣らない精度が確認され、現在乳がん分野でより多くの病院と追加でパイロットテストを実施しています。

一方でこの日、ファン・ヒ代表は海外事業に対しての抱負も語りました。「パスタ」サービスの日本、アメリカ市場への進出計画について言及し、各地域別で共同事業を行うパートナーと議論を進展させている段階にあることを明らかにし、今年中に海外事業の具体的な内容を公開できると述べました。またプロジェクト・デルタに関連し、カカオヘルスケアの技術力と韓国国内の主要病院の参画を基に研究協力のネットワークの成果がグローバルにおける製薬及び技術領域でアジア人代表データセットとして活用される機会を設けられるようにすると述べました。

最後に、ファン・ヒ代表は「今回のカンファレンスを通じて主要な投資家と有意義な議論を交わすことができ、最低限、現在までの方向性と成果に対し、意味のあるフィードバックをいただけたことが2年目の新生企業として次のステップのための発展の方向性の確立に多いに役立った。」と参加に対する感想を述べ、「今後はグローバル事業進出にこのようなカンファレンスでのプレゼンテーションが意味のある成果につながるように期待している。」と述べました。